名作 マシラさん熊と格闘(丹沢)記録ページより
http://sv1.chibitora.sagasi.jp/archiver/?tid-2880.htm... 2ラウンド目
一回目の攻防が済んで、こちらは身を翻し身構えた。ショックを喉に食らった熊は5m先
まで勢いのまま、つんのめっったが、直ぐに反転し、2mまでの距離に来たところで後ろ足
で立ち上がり突撃戦から接近戦に変えて腕を振るってきた。
動きを止めた接近戦は熊の得意な攻撃らしい。立ち上がるとマシラの頭よりは高かった。
一発目の攻撃で熊が逃げてくれることを期待していたことと脳みそのキャパシティ不足から
二度目の攻撃をどうするか考えていなかった。この間に石を手にして備えるか、頭突きにす
るか蹴飛ばしにするか狙いを予め決めておけば打つ手も違ったかもしれないが、二度目は相
手の攻撃に会わせて防御する後手に廻ってしまい、これがまずかった。
熊は左利きだった。右手であいての左肩を押さえて体の動きを止めさせ、反対の左手でフ
ックをかましてきた。右腕を顔の位置に上げてガードしたが、熊のパワーは圧倒的で最初の
フックは左手の肘で受けてかわしたつもりだが(肘から上腕に深く食い込んだ熊の爪条痕が
残り、肉がえぐれた)だが、右腕ガードの上からのフックは容赦なくマシラの左顔面を引っ
かいた。それに連れてガードが少し顔の前に寄った。それを見通したかのように次にガーン
とした熊の左フックの一発がマシラのこめかみ付近にクリーンヒットした。こめかみが裂け
耳から唇までの頬が爪に数錠に渡って切り裂かれた。幸い動脈には損傷は無かったみたいだ
が、相当ぐらっと来た。血のにおいが立ちこめた。熊の「グルルッ グルルッ」といきりき
ったうめき声が間近に響き、次のフックパンチが飛んできた。爪は頬のあたりを欠き切って
口蓋内に達した。
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