ミャンマー 草の根活動で狂犬病対策
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140928/k1001494221... 9月28日は世界狂犬病デー。
狂犬病は、ひとたび発症してしまうと致死率90%と言われる恐ろしい病気です。
日本では予防接種が定着したため、50年以上発生していませんが、
ほかのアジア諸国やアフリカでは今も多くの死者が出ています。
日本企業の進出が進むミャンマーもその1つ。
敬けんな仏教徒が多いミャンマーでは今、犬と共存しながら狂犬病を防ごうという草の根の活動が広がっています。
ミャンマー最大の都市ヤンゴンでは、町のあちこちで野良犬が目につきます。
仏教国で、生き物を大切にする仏教の教えが根づいているため、野良犬に餌を与える市民も少なくありません。
国全体の野良犬の数は増え続け、400万匹にも上るとみられています。
しかし感染した野良犬によって広がる狂犬病は、今も深刻な社会問題です。
WHOによりますと、ミャンマーでは年間1000人が狂犬病で亡くなっているとみられています。
当局は毒入りの餌をまくなど対策に乗り出しましたが、市民が「無益な殺生だ」と猛反発。
獣医師のヤドナールさんは、野良犬を殺さず狂犬病も防ぎたいと、2年前からワクチンを接種する活動を始めています。
ワクチン代は犬一匹につきおよそ70円。ひと月の最低賃金が6000円というミャンマーでは安くはありません。
しかしインターネットの交流サイトで協力を呼びかけたところ、寄付が殺到し、賛同する人の数は6万人を超えました。
毎週日曜日、ヤドナールさんは仲間たちと町に出かけて、野良犬を捕まえては次々に注射していきます。
ふだん野良犬たちの面倒を見ている地元の人たちも協力し、予防接種が終わった犬は目印となる首輪をかけて離します。
さらにミャンマーならではの強力な助っ人も現れました。仏教の僧侶が協力を申し出たのです。
僧侶たちが暮らす僧院の多くは、餌を与えるなどして野良犬を保護しています。
このため僧院では、一度に多くの犬にワクチンを打てるのです。
ヤドナールさんにとって僧院との連携は大きなステップとなるもので、
「僧院を足がかりに活動を広げていきたい」と話していました。
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