世界の登山家たちは、あまりにもシェルパに甘え過ぎていた
今春のエベレストで発生した史上最悪の大遭難。
犠牲となった16人全てがシェルパ。
そして、シェルパたちによる登山ボイコット。
遭難者を出した登山隊だけではなく主要な登山隊全ての
シェルパがボイコットし、山を下った。
シェルパのサポートがなければ登山は続けられない。
背景には何があったのか。
直接、シェルパたちと話そうと僕はカトマンズに飛んだ。
シェルパや犠牲者の遺族、また政府高官からネパール
山岳協会会長まで幅広く話を聞くことができた。
「かつては各国からよりすぐりの登山家が集まった。
彼らもシェルパと一緒になって荷揚げやルート工作を行ったものだ。
しかし最近ではツアー登山隊が増えたのかピッケルの使い方も
よく分かっていないような素人が増えた。
彼らは安全な山で高所順応をし、その間にわれわれがエベレストで
何往復もしながら荷物を上げていく。シェルパの負担が増えたのだ」と
ベテランシェルパ。
数年前、エベレストでシェルパが遭難死したときには
登山隊の隊長がベースキャンプから衛星電話でカトマンズの
旅行代理店に「シェルパが1人死んだ。新しいシェルパが必要だ。
早く派遣しろ」と。
「隊長は私たちと会おうともしなかった。シェルパは使い捨てなのです」と
遺族の女性が涙ながらに僕に訴えた。
ネパールでは1950〜2009年、6000メートル以上の山での
シェルパの死亡者は224人。半数近くの死因は遠征隊のための
ルート工作など遠征準備中の雪崩によるものだ。シェルパの死亡率は
イラク戦争で戦死した米兵の数倍とも。僕も含め外国人登山家たちは
あまりにもシェルパに甘え過ぎていたのだ。
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/140522/oth14052214...
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